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2016年12月26日 (月)

南アジア考古学2016

2016年も終わりが近づいてきました。あっという間の一年。時の流れの速さについていくことができません。

今年は1月〜2月中旬にバハレーン、2月末から3月末までインド、5月後半〜6月初にインド、8月にトルコ、9月にインド、11月前半にイギリス、11月後半から12月前半にインドと、出たり入ったりの一年でした。また、1月、2月に講演会、シンポジウム、6・7月に学会・研究会、さらにインド、イギリスで研究発表などの成果の公表にも力を注いできました。まだ公刊されていませんが、英文での論文を3本、数年かけて準備してきた図録を完成させることができ、翻弄されながらも充実した一年であったような気がします。

いろいろな研究活動を行ってきましたが、それで研究に一段落がつくというわけではなく、次から次へと新しい課題が生まれてきます。それこそが研究の醍醐味なのかもしれません。フィールド→新しいデータ・視点→分析→解釈→フィールド→検証・・・という循環が研究分野の深化につながっていくのだろうと思います。すべての段階が研究にとって重要であって、どれかだけをやっていればよいわけではないのは当たり前のことですが、一人の人間がどこまでできるのか、時に難しさを痛感します。さまざまな困難の中で一歩でも前進するという挑戦の連続です。

とはいえ、南アジア考古学の現状を鑑みると、やはりフィールド→新しいデータ・視点の取得の段階が重要な気もしています。これまでに多くの研究者がさまざまな研究活動を行ってきたのはいうまでもありませんが、遺跡に立って、遺物を手にして自らの拠って立つところを築いていかない限り、南アジア考古学の前進はないでしょうね。フィールドを出発点にした基礎研究の重要性を強く認識しながら、研究活動を行っていますが、そうした基礎研究をベースに今後の南アジア考古学の発展・方向性を模索していく必要性を2016年のさまざまな活動を通してますます実感した次第です。

ごく少数ですが、若手の研究者による南アジア考古学の研究成果も世に出されるようになってきました。それぞれの立場でいろんなことを考えて研究活動を展開しているのでしょうが、ぜひとも基礎研究の蓄積に80%、解釈に20%くらいの割合で研究を進めていってもらいたいと思います。それが次世代に続く研究へと発展していくのだろうと確信しています。自分自身に対する課題としても、次につながる研究を展開するという方向性を2017年にも継続していきたいと思っています。

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